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【独学合格体験記】PRプランナー3次試験 合格に近づく勉強法

会社でPRを担当し、今年で6年目になります。

PRパーソンとしての知識を身につけるとともに、自分のスキルに自信を持ち、より多くの社内外のステークホルダーからの信頼を獲得したいと思い、2019年にPRプランナー取得に向けた挑戦をはじめました。

新米広報担当がPRプランナー取得を目指す 一次試験の対策と感想PRプランナー取得を目指したワケ 昨年から会社で広報を担当しています。自社の取り組みを少しでも多くの人々に伝えるべく、日々広報活動をし...

そして昨年、2022年に無事3次試験に合格しました。合格体験記としてブログにその対策法など綴ることで、これからPRプランナー取得を目指す方々にとって、わずかでも参考になれば幸いです。

PRプランナーとは

PRプランナーとは、公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が運営する民間資格です。広報・PRに携わる者の意識・知識・技能の向上をはかるべく、2007年から検定試験が実施されています。

PRプランナーの資格試験は、一次試験、二次試験、三次試験の3段階に分かれています。
そして、それぞれの試験をパスするごとに、以下の資格認定申請の権利を得ることができます。
一次試験→PRプランナー補
二次試験→准PRプランナー
三次試験→PRプランナー

いきなり二次試験や三次試験にチャレンジすることはできず、一次試験から段階を踏んでいかなければならないため、はじめて受験する人は、まずはPRプランナー補の合格を目指す必要があります。

私は、2019年にPRプランナー補に合格、続く2020年に准PRプランナーに合格し、そして2022年9月に行われた試験でPRプランナーに合格しました。

2次試験と3次試験で間が空いたのは、3次試験の受験資格に「3年以上の広報・PR関連実務経験者」とあるためです。実務経験の証拠の提示を求められることはありませんが、一応このルールに則って、受験しました。

受験の流れや申込み方法などの詳細については、公式サイトをご確認ください。
https://pr-shikaku.prsj.or.jp

3次試験概要

ここからは、3次試験に特化した話に入ります。

まずは試験の概要です。

受験資格 2次試験4科目合格、かつ3年以上の広報・PR関連実務経験者
試験方法 CBT方式(※)によるテキスト記述式問題
問題数・試験時間 課題A・B 各3~5問、あわせて120分
(各自時間配分をして両課題に解答)
試験内容 課題A:ニュースリリースの作成
課題B:広報・PR計画の立案作成( 課題Bは「コーポレート課題」
もしくは「マーケティング課題」から1つ選択 )
合格基準 課題A25点満点、課題B50点満点とし、課題A・Bの総合評価が
45点以上、かつ各課題の評価がいずれも50%以上で合格

(※)CBT方式とは、テストセンターに設置されたパソコンを使って受験する方式。

ここで注意したいのは、2021年11月実施の試験から、試験方式が変更された点です。

具体的には、従来の Word、Excel、PowerPoint で解答ファイルを作成する方式から、試験専用アプリで各問に記述して解答する方式(テキスト記述式)に変更になりました。また、試験時間は従来の180分から120分に変更になりました。

解答方式・試験時間は変更になりましたが、PRプランナーとして求められるスキルや合格水準を変更するものではないと、協会は発表しています。

私は従来の方式で受験したことがないので、その変化を体感してはいないですが、実際に受験してみて、いくつか気をつけるべき点があったので、このあと試験対策パートでお伝えしていきます。

3次試験対策

用意した教材

学習にあたって用意した教材は以下の3点です。テキストと問題集はどちらもこれ1択なので、必ず買いましょう。

 

①広報・PR実践(PRプランナー資格認定制度2次・3次試験対応テキスト)

created by Rinker
¥2,860
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②広報・PR資格試験 参考問題集

 

③参考問題(3次試験)

公式サイト掲載
https://pr-shikaku.prsj.or.jp/reference/sample_3rd_exam

学習のポイント

学習のポイントは大きく2つ。1つは、スピードを上げること。2つめは、型を覚えることです。ひとつずつ解説していきます。

① スピードを上げる

3次試験における最大の難関は何か?それはずばり時間との戦いです。

直近10回の3次試験の合格実績を見てみると、試験方式に変更のあった第29回を境に、合格率が低くなっていることがわかります。

▼3次試験過去の合格率(表の左から、回数・受験者数・合格者数・合格率)

これはつまり、試験方式の変更(主に試験時間の短縮)が難易度を高めているということだと思います。実際に、ネットやSNSで受験者の声をリサーチしてみたところ、試験時間の短さを嘆く声が散見されました。

3次試験は、ニュースリリースの作成と広報・PR計画の立案の大きく2つの課題に取り組みます。日頃広報業務を行っている人にはわかっていただけると思いますが、通常この2つの業務をあわせて2時間以内に終えることはまずありません。

ニュースリリースは社内あるいは社外の関係者とやりとりしながら推敲を重ねて仕上げるものですし、ましてやPR計画なんて、事業計画に合わせてじっくり時間をかけてミーティングしながらコンセプトや目標を設定するものです。

通常の業務とは全く違った時間感覚で仕上げる必要があるため、この試験に合わせたスピードを身につける必要があります。

② 型を覚える

スピードを上げることと通ずるものですが、ニュースリリースもPR計画も、どちらも大枠となる型があります。型をしっかり覚えることで、どんなお題が来ても、与えられた条件や情報を読み取って、必要な要素をその型に当てはめていくという作業に変えることができます。これがスピードアップのコツです。

型を覚えるのと同時に、何をもとに採点がなされているのかを知ることも重要です。これは公式サイトでしっかり公表されています。

課題Aと課題Bについて、それぞれ商品や企業を取り巻く環境についての前提と課題が出題されます。受験者各自で時間配分をしながら各問に解答していただきます。

課題Aは、(1) 見出し、(2) 全体構成、(3) 必要事項、(4) 簡潔性、(5) 適切性(表現)をもとに採点します。
課題Bは、(1) 的確性、(2) 戦略性、(3) 実現性、(4) 独自性・適切性、(5) 論理性・構成力をもとに採点します。

 

文章を読み解く→型にはめる→採点要素を満たしているか確認する→ブラッシュアップ

この流れさえ身につけば、合格に大きく近づきます。

勉強法と手順

課題A:ニュースリリース

PRプランナー3次試験を受験する人たちは、基本的には日頃からニュースリリースに触れているというベースがあることと思います。なので、早速実践から入りましょう。

①公式サイトの参考問題で腕試し
https://pr-shikaku.prsj.or.jp/reference/sample_3rd_exam
まずは時間を測って、今の実力を試しましょう。一通り書き上げたら解答例を見て、構成は妥当か、ボリュームは適正か、抜けている情報はないか、どれくらい時間がかかったかをチェックしましょう。

②問いの構成を確認し、型を覚える
問いの構成は、見出し、リード、本文の3つに分かれています。お題は変われど、この問い構成は試験本番も変わりません。つまり、この3つに対し、それぞれ解答の型を覚えればいいのです。

【解答の型】
見出し:5W1Hを意識。ニュースバリューを絶対に盛り込む。
リード:5W1H必須。リリース全体を要約した文章をここに。3行〜5行程度。
本文:内容詳細という位置づけ。背景・目的、特長・概要など。

③型を意識して、テキストや問題集のお題にチャレンジ
上記を基本の型にしておくと、大きくずれることはないと思います。あとは練習あるのみです。用意した問題集やテキストに載っているお題で練習を重ねましょう。一度やったお題にも繰り返し取り組みましょう。目安として30分程度で書き上げられるようになると試験本番も安心です。

実際の試験では、コピペやキーボードショートカットを使用することはできません。練習の段階から、純粋なタイピングだけでリリースを書き上げられるように意識しましょう。誤字は当然減点となりますので、要注意。

細かいところでは、金額を総額(税込)で書いていないと減点なんていうことも。自社のリリースを書くときと同様、細部までしっかり確認しましょう。

 

課題B:広報・PR計画

日頃広報業務に従事している人でも、広報・PR計画の立案までは行ったことがないという人もいるかもしれません。そういった方は、とにかく慣れるしかありません。

ちなみにこの課題Bは2つのお題からの選択式となっていて、例年、コーポレート系の課題とマーケティング系の課題のどちらか一方を選択する形になっています。

どちらを選んでも問題はないので、練習の過程でどちらがやりやすいかを見極めて、それに特化して練習するのがいいと思います。試験本番でもどちらにするか迷っている時間が無駄になるので、覚悟を決めて、練習を積んできた方だけに目を向けましょう。

ちなみに私はマーケティング系の課題をセレクトしたので、そちらについての勉強法と手順をお伝えします。といっても、基本は課題Aと同じ手順です。

①公式サイトの参考問題で腕試し
https://pr-shikaku.prsj.or.jp/reference/sample_3rd_exam
出だしは課題Aと一緒です。まずは今の実力を知りましょう。はじめは、なんとなく書いてみたけど、これでいいのか、何が正解か全くわからん!という状態になると思います。それで大丈夫です。私もそうでした。解答例をしっかり読み込んで、どういうことを尋ねている問いなのかという感覚を掴みましょう。

②問いの構成を確認し、型を覚える
マーケティング課題の問いの構成は、広報・PR計画の概略、コミュケーション・ターゲットと各ターゲットへの基本戦略、コミュニケーション・コンセプトと具体的な施策案、スケジュール展開と各施策の予算配分、その他の施策アイデアという5つに分かれています。課題Aと同様、お題は変われど、この問い構成は本番も変わりません。つまり、この5つに対し、それぞれ解答の型を覚えればOKです。

【解答の型】
概略:PRの目的、狙い、ターゲット、メイン施策を簡潔に
ターゲットと基本戦略:メイン・サブターゲット(誰に、何を、結果どうなる)
コンセプトと施策案:PR全体のキーメッセージ、施策羅列
スケジュールと予算:上記施策を落とし込んだスケジュールと予算配分
その他アイデア:サステナビリティやCSRを絡めるのが考えやすい

③型を意識して、テキストや問題集のお題にチャレンジ
上記が私が考える基本の型ですが、いくつかお題にチャレンジしながら、自分が書きやすいように少しアレンジを加えることをおすすめします。

こちらについても、あとは練習あるのみです。やっているうちに気づく方もいるかと思いますが、コンセプトやターゲットは、お題次第で大きく変わるものの、施策案や予算はだいたい似たようなものになってきます。

サイト作成(ティザーも含め)、ニュースリリース、記者発表、メディア内覧(体験)、SNS、雑誌タイアップ、インフルエンサーマーケ、アンバサダーマーケが主たる施策になるので、これらにいくらくらいかかるのか(予算)、製品・サービス発表の前後どれくらいのタイミングで実施するのがよいのか(スケジュール)という点だけ掴んでおけば、どんなお題でも応用が利きます。

その他のアイデアは加点項目なので、時間が許せばなるべく書きましょう。サステナビリティやCSRと絡めて、社会貢献的側面で施策を考えるとスムーズだと思います。(採点者に与える印象もよいかも)

目安としては、1時間程度で一通り書き上げられるようになりましょう。そうすると、計画全体の見直しと細かな修正を入れる時間が確保できます。

コピペやキーボードショートカットが使えないのはこちらも同様です。

予算など、金額感を知らなければ書けない要素もあるので、相場感は事前に調べておいて、与えられた予算でうまい具合に配分するようにしましょう。

 

試験当日

ここまで学習が進められていれば、合格に足る実力は備わっているはずです。当日大事なのは時間配分です。

目安にすべき時間配分はこちらです。

課題A:45分
課題B:70分
見直し:5分
計:120分 

練習では、課題Aは30分、課題Bは60分で仕上げるようにしました。
これは、試験本番はもう少し時間がかかることを想定した上での時間設定です。

試験本番は、CBT方式のため、テストセンターに設置されたパソコンを使って受験することになります。慣れない環境、慣れないPCによって、いつもと同等のパフォーマンスを発揮することは難しいと考えます。特に最初の課題Aはその影響を大きく受けます。コピペもできないなかで、誤字が即減点につながるプレッシャーも重なり、どうしたって、いつもより時間はかかります。

しかし、それが普通です。大事なのは、その状況に焦らないことです。練習よりも時間に猶予があることを心のお守りにして、丁寧に着実に、見直しもしっかり入れて、課題Aを終えましょう。練習で30分が出せていれば、本番の状況でも45分でいけるはずです。

さて、残りは75分です。

テストセンターのPCにもようやく慣れ出し、課題Aが終わったことから、一気に落ち着きを取り戻し始めていることと思います。なので、課題Bは練習とそこまで変わりなく、試験に取り組めるはずです。練習+10分の70分で書き上げても、まだ残り5分の見直しタイムが取れます。最後まで落ち着いていきましょう。

合格はもう目の前です。

試験後

試験が終われば、あとは合格発表を待つのみです。

無事合格すれば、資格の認定申請をする権利が得られます。認定申請には、決められた期間内で別途申し込みが必要なので、忘れないようにしましょう。

詳細は、公式サイトからご確認ください。
https://pr-shikaku.prsj.or.jp/prp

 

以上が私のPRプランナー3次試験合格体験記です。
これからPRプランナーを目指す方々にとって、参考になれば幸いです。
健闘を祈ります。